淋病とはどんな病気?

性感染症の一つ、淋病は淋菌という細菌に感染することによって発症します。
淋菌は粘膜から離れると死滅する性質があるため、その感染経路は粘膜同士が接した場合に限られます。
具体的な感染経路としては、性器同士によるものの他、性器を口で加えるオーラルセックス、肛門に性器を挿入するアナルセックス等が挙げられます。
また、母親が淋菌を保有していた場合、胎児にも母子感染する恐れがあります。

そして淋病を発症すると、感染した部分に炎症が起こり、膿が生じます。
具体的な症状の現れ方や現れる可能性は、発症した場所によって変化します。

目に感染した場合、結膜炎を発症します。
症状としては、目が腫れ、目やにが多く出るようになります。
これは母子感染によって新生児もかかりやすいものとなります。

性行為を行った時、男性の場合は、尿道に炎症が起こります。
すると排尿時に痛みが生じ、膿が出るようになります。
その後病状が進行すると、精巣上体が炎症を引き起こし、睾丸が腫れたり痛みが生じるようになります。
また、精巣上体が炎症を引き起こすと、無精子症につながる恐れがあります。

一方、女性の場合は子宮頚管に炎症が生じ、おりものの増加や膿が見られます。
その後病状が進行すると、卵管や卵巣に炎症が起こり、下腹部に痛みが生じるようになります。
すると卵子が作れなくなる等、不妊につながる恐れがあります。

このように、男女ともに淋病を放置しておくと、不妊につながる恐れがあります。
しかし、淋病には男性に比べて女性は症状が出にくいという特徴があります。

そしてこれは、患者数にも表れています。
厚生労働省の調査によると、平成28年現在、淋病の感染報告数は男性が6654であるのに対し、女性は1644となっています。
これは男性に比べて女性は症状が出にくく、病院受診につながっていないということが推察されます。

また、アナルセックスにより肛門に感染した場合には、かゆみや痛み、便秘といった症状が現れますが、実際に現れる可能性は比較的低いです。
喉の場合も、違和感を感じる程度です。
そのため、実際の淋病の患者数は、把握しているよりもより多いと考えられます。

淋病の治療はどのような薬を使う?

淋病の治療を行う際、まず大切なのが淋病に感染しているかを調べることです。
性病の中には、似たような症状を示す病もあるからです。
淋病の診断方法としては、男性の場合は尿を、女性の場合は膣の分泌物を採取します。
そして培養法などの診断方法によって、尿や膣の分泌物内に淋菌があることが確認されてはじめて、淋病だと診断されます。

そして淋病を治療するには、淋菌を死滅させる必要があります。
そのため点滴・注射・飲み薬といった方法で、抗生物質を投与していきます。
ただし、現在日本で保険適用となっている治療薬は、「セフトリアキソン」と、「スペクチノマイシン」の2剤のみとなっています。
これらの薬は主に注射で投与することになります。

ただし、中にはこれらの薬に対してアレルギーがあるなどして、使えない方もいます。
その場合は他の治療薬を使っていきますが、この場合は完全に菌がいなくなったのを確認する必要があります。
また、「セフトリアキソン」と「スペクチノマイシン」以外にも有効とされる薬はありますが、保険適用外となるものもあります。

以前、淋病の治療の際には、ペニシリン系やニューキノロン系の抗生物質が使われてきました。
しかし、最近ではこれらの抗生物質に対して耐性を持った菌が増えています。
そのため、最近の治療では処方されなくなっています。

菌が抗生物質に対して耐性を持つ大きな原因としては、薬を途中でやめてしまうことが挙げられます。
薬を投与して一時的に症状が現れなくなったとしても、必ずしも菌が死滅したとは限りません。
菌が残ると、再び発症するリスクが高まるだけでなく、今度はその薬が効かなくなってしまう恐れがあります。

そのため、一度治療を始めたら途中でやめないようにします。
そして再び検査を行い、淋菌が完全にいなくなったことが確認できてはじめて淋病が完治したと診断されます。

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